導入
前の記事では、「盤面支配型」と「キルを取りまくる型」という考え方について整理しました。
その中で、盤面支配とは単純に広い範囲を見ることではなく、「相手の選択肢を制限し、有利な展開を作り続けること」だと考えました。
では、この考え方を前提にした場合、シューターでも盤面支配型になることは可能なのでしょうか。
実際に、動画内ではこのような質問がありました。
「メロンさんの話だと、盤面支配型は特性上、長物の武器の使い手がなりそうだと感じたのですが、シューターで盤面支配型をしているメロンさんはどういう理屈なのでしょうか?」
この疑問は、盤面支配という言葉を考えるうえで非常に重要なポイントだと思います。
確かに、長射程武器は射程によって広い範囲へ影響を与えられるため、盤面支配という言葉からイメージされやすい存在です。
しかし、盤面支配の本質が「相手の自由を奪うこと」だと考えるならば、その方法は射程だけに限られません。
今回は、長射程による盤面支配と短射程による盤面支配の違いを整理しながら、メロン君の立ち回りがどのように試合を支配しているのかを考えていきます。
まず、私が考える盤面支配とは、
「相手の選択肢を制限し、有利な展開を押し付けること」
です。
盤面支配という言葉から、長射程武器が広い範囲を管理するイメージを持つ人も多いと思います。
実際、長射程武器は盤面支配と相性が良いです。
しかし、盤面支配は長射程だけができるものではありません。
短射程でも盤面を支配することは可能です。
ただし、長射程と短射程では「支配できる範囲」と「影響の与え方」が異なります。
今回は、まず一般的な盤面支配について整理したうえで、メロン君の立ち回りからシューターによる盤面支配とは何なのかを考えていきます。
長射程が得意とする盤面支配
長射程武器が盤面支配をしやすい理由は、広い範囲を見ることができるからです。
長射程は、相手の前線全体に対して牽制やキルを狙うことができます。
そのため、相手は自由に移動することが難しくなります。
例えば、前に出ようとしても射程によって止められる。
別のルートから攻めようとしても監視されている。
そうなると、相手が取れる行動は少なくなります。
つまり、長射程は広い範囲に圧力をかけることで、相手の選択肢を制限できます。
このような形が、一般的にイメージされる盤面支配だと思います。
では、短射程では同じことはできないのでしょうか。
短射程でも盤面支配は可能なのか
結論から言えば、短射程でも盤面支配は可能です。
ただし、考え方を変える必要があります。
短射程は長射程のように広範囲へ圧力をかけることはできません。
そのため、「どれだけ広い範囲を見るか」ではなく、「どこのエリアを支配しているか」で考える必要があります。
例えば、下の画像のマップはマサバ海峡大橋です。

赤い線が敵のラインと味方ラインのぶつかり合うところとします。
青色が中央のエリア。
黄緑色が左右のエリアです。
水色の矢印は、スプラシューターが塗りを作れる距離を表しています。
基本的に青色の中央エリアを取られ、相手に塗りを作られるとかなり不利な状況になります。
これは、自陣側に押し込まれている状態だからです。
実際、中央エリアは短射程シューター同士が相手と見合うことができるだけの広さがあります。
そして左右のエリアは、中央を取るための起点になりやすい場所です。
相手を崩すための重要なポジションになります。
もちろん長射程の場合は、ポジションを大きく変えなくても重要な範囲を2面、場合によっては3面ほど見ることができます。
そのため、広い範囲に対して圧力をかけられます。
一方、短射程の場合は、エリアを分割して考えることで盤面支配が成立します。部分的な支配といってもいいでしょう。その部分が相手にとって厳しい一部であることが短射程の盤面支配で大事なポイントになります。
エリア単位で考える短射程の盤面支配
短射程の場合、重要なのは「どの場所を取るか」です。
相手の位置や味方の位置を把握し、どのエリアのポジションに配置するべきか判断できれば、味方のラインは強くなります。
逆に相手は簡単に前へ出ることができません。
なぜなら、そのポジションを無視すると不利になるからです。
この中で特に重要なのが、
相手にとって脅威となり、無視できないポジション
です。
例えば、リュウグウターミナルのヤグラでの耐えのような立ち回りです。

その位置を無視して前へ出ようとすると、上や後ろから攻撃されることになります。
しかし、シールドを使われることで突破が難しくなります。
仮に突破できそうな状況になったとしても、相手が下がって生存すると、こちらは時間を大きく失います。
そしてラインも上がりません。
エリア自体は狭いですが、その影響は非常に大きいです。
つまり、その場所を維持することで相手は自由にエリアを使えなくなります。
結果として、盤面を支配している状態になります。
盤面支配とは、必ずしも広い範囲を見ていることではありません。
相手が自由に使える選択肢を減らしている状態も、盤面支配と言えます。
サブ・スペシャル・立ち回りによる盤面支配
盤面支配というと、メイン武器の射程やキル能力によって相手を制限するイメージがあります。
しかし、実際にはサブウェポンやスペシャルウェポン、立ち回りによっても相手をコントロールすることができます。
例えば、裏取りを仕掛けることで相手のヘイトを集め、相手の後衛が前線へ関与しづらい状況を作る。
あるいは、ポイズンミストを投げることで相手をポジションに立たせない、エリアから追い出すということや、自陣から中央に出るための入り口を封鎖することで前に出れないなどあります。
これは単純にダメージを与えるためではなく、相手の行動範囲や選択肢を制限する行動です。
つまり、相手のポジションをコントロールすることも盤面支配の一つです。
相手の編成において強みとなるポイントを消すことができれば、それも盤面支配になります。
もちろん、長射程武器のメイン射程によって相手全体を制限することも盤面支配です。
しかし、それだけではありません。
相手をコントロールし、こちらに有利な展開を作る手段は多く存在します。
メロン君の立ち回りから見る盤面支配
ここまでは一般的な視点から盤面支配について考えてきました。
ここからは、メロン君の立ち回りについて考えていきます。
メロン君は基本的に、キルを多く取るタイプ、いわゆる「キル特化型」の側面を持っていると思います。
ただし、ろぶすた~君の立ち回りと比較すると、無理な仕掛け方は少ないように感じます。
その理由として、武器の違いが大きいと考えます。
ろぶすた~君が使用するホットブラスターは、52ガロンと比べるとできることが限られています。
そのため、状況によっては積極的に仕掛けてキルを取りに行く必要があります。
一方で、メロン君が使用する52ガロンは、塗りや耐えという要素を持っています。
そのため、立ち回りの選択肢が多いです。
無理に前へ出るよりも、生存しながら連続してキルを取り続けることのほうが理想的になります。
そのため、一見するとキルを取りまくるタイプには見えないかもしれません。
しかし、個人的には実際にはキル特化型の要素を持っていると考えています。
仕掛けるのではなく、崩れる瞬間を作る
相手チームと見合いが発生し、試合が停滞する場面があります。
この時、キル特化型であれば積極的に仕掛けるイメージを持つ人もいると思います。
しかし、見合っている状態というのは、
「相手の配置的に、手を出しに行けば自分が倒される状態」
です。
メロン君は、この状況を理解しているから無理に仕掛けません。
重要なのは、ただ待っているわけではないということです。
その間にメガホンレーザー5.1chを溜めたり、攻められるルートへ入ったり、前に出てきた相手の隙を狙ったりしています。
つまり、自分から無理やり崩しに行くのではなく、崩れるきっかけを作っています。
見合い状態での基本的な解決方法としては、スペシャルウェポンを使うことが多いです。
相手を移動させたり、長射程武器の攻撃によってきっかけとなるキルを取ったりするなど、方法は様々です。
もちろん、困った時にスペシャルを使うことは安全な選択肢です。
しかし、メロン君は単純にスペシャルを使うのではなく、複数の選択肢から「いつ、どこで、何をすれば状況が動くのか」を判断している。
そのため、試合を動かすきっかけ作りが上手いと言えます。
耐えによる盤面支配
メロン君の盤面支配で特に特徴的なのは、「耐え」を使ったライン維持やリソース消費の誘発だと思います。
相手に簡単には突破されない場所で耐えることで、相手に時間やスペシャルなどのリソースを使わせる。
その結果、こちらが有利になる展開を作っています。
また、メロン君はよく立ち回りを言語化していますが、その内容を見ると、
「現在の状況」
「次に起こる展開」
について考えていることが多いように感じます。
相手が何を狙っているのか。
次の展開でこちらのリスクとなる相手の行動は何か。
勝つ可能性を高めるために、今何をするべきなのか。
こうした判断を積み重ねることで、試合全体をコントロールしています。
盤面支配とは、単純に相手を倒し続けることではありません。
相手が嫌な状況を作り続け、自分たちが有利になる選択を積み重ねることです。
メロン君の立ち回りには、その考え方が表れているように思います。
キル特化型と序盤支配型の両立
ここまで見てきたように、メロン君の立ち回りには、キルを取る能力と盤面を支配する能力の両方が存在しているように感じます。
一見すると、キルを多く取るプレイヤーと盤面を支配するプレイヤーは別のタイプに見えるかもしれません。
しかし、実際にはこの2つは大きく分けられるものではありません。
相手の状況を把握し、どのタイミングで仕掛けるべきか判断する。
相手が嫌がる場所を取り、自由な行動を制限する。
その結果としてキルが生まれる。
つまり、キルという結果も盤面支配の一部として発生していると考えられます。
メロン君の場合、ただ前に出て相手を倒し続けるのではありません。
そのため、キル特化型でありながら、盤面支配型としての側面も持っているのだと思います。
盤面支配に必要なのは情報収集力
個人的に、メロン君のような立ち回りで重要になる要素は情報収集力だと考えています。
もちろん、展開を予測しての行動も重要となります。
ただ判断や行動するためには、まず情報が必要です。
相手がどこにいるのか。
味方はどの位置にいるのか。
相手のスペシャル状況はどうなのか。
今攻めるべきなのか、それとも待つべきなのか。
こうした情報を集めたうえで判断し、行動する。
これは非常にシンプルなことですが、実力差が出る部分だと思います。
必要な情報を早く、正確に集める。
そして、その情報をもとに最適な行動を選択する。
その結果、相手より先に動くことができます。
それがキルにつながったり、盤面支配につながったりします。
盤面支配ができるプレイヤーは、単純に強い武器を持っているわけではありません。
状況を理解し、自分がどこに存在すれば相手が困るのかを判断しています。
残る課題――盤面支配は武器だけでは決まらない
ここで重要なのは、盤面支配型というものを武器だけで判断してはいけないということです。
長射程武器は、射程によって広い範囲へ影響を与えやすい。
そのため、盤面支配型になりやすい武器であることは間違いありません。
しかし、短射程だから盤面支配ができないわけではありません。
短射程の場合は、広い範囲を直接管理するのではなく、相手にとって重要な場所を取り、その場所を維持することで盤面へ影響を与えます。
また、メイン武器だけではなく、サブウェポンやスペシャルウェポン、立ち回りによって相手の選択肢を制限することもできます。
つまり、盤面支配の本質は「どれだけ遠くまで攻撃できるか」ではありません。
「相手が自由に行動できる選択肢をどれだけ減らせるか」です。
この視点で考えると、シューターでも盤面支配型になることは十分可能です。
まとめ
メロン君が盤面支配型と言われる理由は、長射程武器のように広範囲へ圧力をかけているからではありません。
その時々の状況で、相手の選択肢を最も狭める行動を選び続けているからだと考えます。
長射程は射程によって相手の行動範囲を制限します。
一方で、短射程はポジション取り、耐え、塗り、サブウェポン、スペシャルウェポン、そして立ち回りによって相手の行動を制限します。
方法は違いますが、やっていることの本質は同じです。
相手に自由な選択肢を与えず、自分たちに有利な展開を作る。
それが盤面支配です。
そして、メロン君の強さは、単純なキル能力だけではなく、その状況で相手が嫌がる選択を理解し、試合全体をコントロールしている部分にあるのだと思います。
ここまで、盤面支配の考え方や、メロン君の立ち回りについて整理してきました。
しかし、考え方を理解できても、実際の試合でどう動けばいいのかは別の問題です。
「盤面を支配することが大切なのは分かった。でも、自分が前へ出ようとすると囲まれて倒されてしまう。」
このような悩みを持つ人は少なくないと思います。
次の記事では、実際に寄せられたコメントをもとに、「キャリーしようとすると敵に囲まれてしまう」という悩みについて考えていきます。
盤面支配という考え方を、実際の立ち回りへどう落とし込めばいいのか。その第一歩として、「囲まれない状況を作る」という視点から整理していきます。
前回の記事
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